PARTⅡ 少年団で育つ子どもたちの姿
エピソード6
母親の語り・・・「我が家の次男坊の成長」
我が家には長男(中1)、次男(小6)、長女(小3)の3人の子どもがいる。
長男は記憶力がよく、大人と会話することが大好き。
次男はどちらかといえば、社交的ではなく、長男まかせで自分から前に出ることはない。
長女は末っ子の甘えん坊。とにかくよく泣く。
そんな3人が少年団に関わって5年目になる。
今回は我が家の次男のことを紹介したいと思う。
少年団に入った当初、集団遊びになるとポロッとこぼれていた次男。まあ、こうなることは予想していた。
一緒に遊ぶようにすすめても、入っていくことはなかった。
そんな次男が4年生の時、山のつどいの少年少女運営委員(以下、少運)をやると言った。昨年、長男が少運をやったことも影響したとは思うけれど、正直言ってびっくりした。5年生の時も少運に立候補した。
そして冬になり、少年団のクリスマス会が開かれた数日後、「冬休みに友だちと家でクリスマス会がしたいんだけど」と言ってきた。
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冬休みに我が家でクリスマス会をする時間はとれないことを説明すると、「じゃあ1月中でいいから、NewYear会をしてもいい?」ときいてきた。友だちの人数や内容の構想はあるようだったので、具体的なことを友だちと相談して決めてくるように、話を返した。
こちらからアドバイスもしながら、何回も何回も友だちと相談して、いろいろなことを決めていった。案内状も作った。会費制にしたので、お菓子やジュースの買い出しも友だちといっしょにしていた。
当日は5年生が8人集まり、みんなで近くのスーパーに昼食(たこ焼き)の材料を買いに行った。
昼食作りを含め、自分たちで運営していった。もちろん、後片付けも。友だちみんなが帰ってから、会費の余りはどうしたのか聞いた。すると「会費の余りはオレがもらった。だからお菓子やジュースの余りはみんなで分けて持って帰ってもらった」とのこと。このこともみんなで決めたらしい。
「クリスマス会(NewYear会)をしたい」と言い出したのは次男。いい友人とめぐり逢えたことは言うまでもないが、少年団に入っていなかったらこんなこと言い出したのかなあと思う。
実は母親の私は渋っていた。人を家に招くことが得意ではない上に、8人という人数。願わくば「企画倒れになれ」と。でも何度も何度もくらいついてきた次男の粘り勝ちである。
矛盾しているかもしれないが、少年団に入ったから次男はこうなったとは言いきれない。でも私は少年団に入ったからこそ、こうなったという確信をもっている。
本当に前に出ない子だった。山のつどいの少運は大きな自信になったと思う。
このNewYear会には続きがあって、3学期の授業参観でお礼を言ってきたお母さんがいた。
そして次回は是非、我が家でやってくださいと言つてくれて、春休みに2回目が行われた。
6年生になった今、「6年生会」と名を変え、我が家で3回目の開催を考えている次男。
はあああ、とため息をつく私。
でも次男が気づかせてくれた少年団のよさ。少年団に入ったことで成長した次男を目の当たりにして、しみじみと入れてよかったなあと思う。
私も不満に思うことがあったり、行事によっては参加費、交通費がいるので、金銭的に苦しかったりするが、よし、がんばるぞと気合いを入れ直す。
続けていけば、苦しいこともあるし、がんばりきれないこともたくさん出てくると思う。でも、こうして少年団で培ってきたことが、いつか開花するのだと教えてくれたから。
子どもの笑顔がある限り、子どもの成長とともにこれからも少年団に関わっていきたいと思う。
(なおさる少年団 K.Mさん)